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【家庭教師体験】教え子のお父さんの笑える失敗談【ほのぼの家族】

学生時代に、家庭教師のアルバイトをしていた。

その教え子の一人に中学三年生の女子中学生がいた。

僕が唯一教えた女子なのですが、
ココの家庭は非常にホノボノとしていました。

優しそうなお父さんとお母さん、
娘さんだって素直ないい娘で、
毎週教えに行くのが楽しみなぐらいでした。

しかし、悲劇とは突然やってくるものなのです。

ある日のこと、とんでもない大雪がわが町を襲いました。

深夜から雪は降り続き、
朝にはビックリするほど雪が積もっていました。

交通機関は麻痺し、
テレビで は様々な被害状況を報じていました。

ちょうどその日は家庭教師の日だったのですが、
この大雪です。

行ける筈がありません。

普通の人ならそう思うところでしょう。

やはりその女の子も
「今日は家庭教師が来る日だけど、
大雪で来れないだろう」 などと考えたらしく、
降って沸いた休日に大喜びし
母親とショッピングに出かけてしまったそうです。

彼女の家は商店街やデパートの近くにあったため、
大雪でもショッピングには出かけることが できたようです。

家では仕事が休みだった父親だけが留守番をしていました。

やはり大雪です。

行くのは面倒くさい。

休みにしてしまいたい。

僕もそう考えたのですが、
変にプロ意識旺盛だったため
、「大雪如きで休んでいたら家庭教師の 名が廃る!
ここは這ってでも行かねば! 」

などと激しく見当違いな考えの元、
まさしく這っていくように教え子の家へと赴きました。

さあ、これに驚いたのはお父さん。

来ないだろうとタカをくくっていた
家庭教師が来てしまった。

突然の家庭教師の急襲に驚きを隠せない。

僕が普段行くとき は、
お父さんはダンディーな週末パパみたいなファッションを しているのですが、
今日は家庭教師が来ない。

楽な服装でいいや、
などと思ったらしくラクダの モモヒキみたいな服を着ていました。

フランクな自分のくつろぎスタイルを
見られたお父さんは狼狽していました。

自分の無様な格好は見られるわ、
狼狽してるとこを見られるわ、
家庭教師の主役とも言える娘はいないわ、
いつも家庭のことはまかせっきりの妻はいないわ、
と瞬く間にパニック状態に。

しかし、寒い中いつまでも
僕を玄関先には立たせて おけません。

とりあえず上がってもらうしかないでしょう。

普段は直で娘の部屋に行って、
勉強開始となるのですが、
娘がいない今はそうはいかない。

とりあえず僕はリビングに通されました。

「娘達はもう少ししたら帰ってくると思うので、
テレビでも観て待っててくだ さい」

とお父さんは丁寧に言ってくれた。

雪の中、娘の勉強のために来てくれた僕に
不快な思いをさせてはいけない、
丁重にもてなさなければ

お父さんはそう思ったに違いない。

なんていい人なんだろう。

実際凄く良い人なんです。

さて、テレビを観て娘達の帰りを待っている僕を尻目に、
お父さんはキッチンでテンテコ舞いでした。

僕にお茶とお茶菓子を出さねばならないのです。

しか し、台所のことは妻に任せっきりのため、
どこに何があるのかも分からない状態。

お茶を出さないわけにはいかないし

うろたえるお父さんの姿 に
人柄の良さが伺えます。

僕も気を使って 「いいですよ、おかまいなく」
というのですが、 「そういうわけにはいきません!」
とお父さんは一生懸命な んです。

30分ぐらいして、
やっとこさコーヒーが出てきました。

お父さんの苦労と涙の結晶ですよ。

台所のことは妻に任せっきり、
自分一人ではコーヒー入れるのも一苦労だ。

お父さんは妻のありがたみを噛み締めていることでしょう。

「あ、お茶菓子も出さなきゃ」

そういってお父さんはまた台所のほうに消えて行きました。

お茶の次はお茶菓子。

お父さんも大変です。

しかしお父さん、
お茶菓子のありかまではどうしてもわからない。

あちこち引出しとか開けてみるのですが、
一向に発見できない様子。

僕は甘いものはあんまり好きではないので、
別にお菓子はいいのに

なんて思いながらテレビを見てました。

すると、奥のほうから 「あった!」 という歓喜の声が。

どうやらお茶菓子が見つかったようです。

お父さんは、そそくさと発見したお菓子を
小さなカゴみたいな入れ物に移し変えていました。

そして発見したお茶菓子を手に、
リビングに登場です。

やっと出すべきものを出して、
お父さんは一安心です。

僕とお父さんは二人でテレビを見ながら、
お茶を飲みました。

いい人だなー、僕のために不慣れなこ と一生懸命やってくれて、
こういうお父 さんが理想だなー。

娘に対しても妻に対しても優しく良き父親に違いない、ウ
チの親父と交換してもらいたいくらいだ ぜ、
まったく などと想いを馳せていました。

そして、お父さんが一生懸命探してくれた菓子でも
頂きましょうかねーと思い菓子カゴに目をやりました。

ほら、高級菓子ってあるじゃないですか、
仰々しい箱 に入った高そうなやつで 中身も、
ミニケーキみたいな菓子が一個一個袋に入ってるような感じの。

お父さんが持ってきた菓子も
そんなカンジの菓子に見えたんですよ。

そんなカンジのビニールっぽい袋が
何個も籠の上に並んでいたからさ。


やったね高級菓子だぜ!

などと思いまして、ちょっと食べてみようと思い、
手に とりました。

そのお菓子を見て僕は腰が抜けるほど驚愕したのです。

手にとったお菓子の小さな袋には

「ロリエ」

と書いているではありませんか!

そう、間違いなく生理用ナプキンなんです。

うーむ、確かに高級菓子に見えないこともない。

でもフツー気がつくだろ!

あんたはそんな涼しい顔して客人にロリエを出すのかい?

などと突っ込みどころ満載なのですが、

もしかして・・・・これはワザとやってるのでは

僕に対する手の込んだセクシャルハラスメントかもしれない

様々な想いが頭の中を駆け巡りま す。

もはや気が気ではない状態ですよ。

そんな僕の狼狽ぶりを見て、
お父さんもやっとこさ自分の犯した過ちに気づいたようでした。

そう、自分の出したもの は茶菓子ではなく、
娘か妻の生理用品であることに気づいたのです。

しかし、いまさら引っ込めるわけにはいかない。

お父さん的には気づかなかった振りして
やり過ごす作戦にでたのでしょう。

そしらぬ顔でテレビを見はじめました。

必死にクールガイを装う彼だが、
やはり狼狽ぶりは隠せない。

こうして僕とお父さ んは、
山盛りの生理用品を前にしてパニックになりながら、
お互いに冷静を装いつつコーヒーを飲むのでした。

そこへ娘と母親が帰宅。

山盛りのロリエを前に茶を飲む父と家庭教師。

物凄い変態に映ったことでしょう。

中○生の女の子といえば多感な時期です。

そういった用品を他人である先生に見られるのも嫌だったのでしょう。

もう娘は泣いちゃって泣いちゃって、
ヒステリーおこしちゃって、妻は妻で、
父親に向かって怒り狂っているし、
「ごめんヨ、ごめんヨ」 と父はただただ謝るばかりでし た。

せっかく大雪の中来たのに、
この日は勉強するどころではありませんでした。

幸せな家庭をいとも簡単に恐怖のズンドコに追いやるロリエ

恐ろしいものです。

僕は今でもロリエを見るたびにこの時の事件を思い出します。

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